今年もひとつ季節が巡って

 

さまざまの こと思いだす さくらかな

               -松尾芭蕉

 

世の中に たえてさくらの なかりせば

春のこころは のどけからまし

               -在原業平(筝曲 春の曲より『古今和歌集』)

 

散ればこそ いとど桜はめでたけれ

憂き世になにか ひさしかるべき

               -詠み人知らず(返歌)

 

 

さくらがずっときらいだと思っていました。

数年前のこの日、友人がなくなって

まさにさくらが日本中に咲き誇っていて

葬儀場の満開のさくらしか憎めるものがなかった。

 

 

 

だけど今年になってようやく

さくらなんか大きらいだと思いながらも

おもいでといっしょに

さくらを愛でている自分がいます。

 

 

 

短いのか長いのかわからない。

これで終わりじゃない。

でも、月日がわたしの中にも確実に流れてる。

 

 

やっぱりあたしにとっては特別な季節。

あっという間に散っちゃうから

今年はやっと

目をつむらないでしっかり見てあげなきゃ。